小さいけど広い家、大きいけど狭い家
大きく重圧感のある家ほど狭い
80坪、90坪級の家の水廻りにリフォーム工事や解体工事などたくさん携わってきましたが、その外観の重圧感とは裏腹に、住宅の中へ入ってみると本当に狭い!と感じる家はたくさんあります。むしろ、昔の家のほとんどがそうではないでしょうか。「そんな家を大規模に改修工事したらどんなによくなるんだろうなあ」をよく考えますが、結局かつては空間ということを考えていない設計となっていました。6畳や8畳の部屋がたくさんあって、そのほとんどが利用していない、使っているのはほんの20坪だったなんてことがよくあります。
ということは、どういうことなんだろうと考えますよね。結論を申しますと20坪~30坪あれば十分4,5人でも過ごしていけることができるということです。小さいお子さんをお持ちの方でも、子供が大きくなって部屋がたくさんいる!と考えがちですが、その時になったら10畳の部屋に間仕切りを入れて二つの部屋にすることもできます。無駄な廊下や縁側を作ったところで、ほとんど利用しないで物置と化していることもしばしばあります。
そうならないよう、未来の計画も加味しながら空間設計していきたいと思っています。
小さくても広い家
最近は30坪~40坪の家に携わることが多くなっています。30坪?狭いなあ・・・とお思いかもしれませんがそんなことはありません。昔の家は、「お客様のために」という考え方が浸透しており、まず玄関が広く立派であります。次に仏間や、客間がものすごく広く、和室の欄間や襖などへたくさんの費用をかけております。
しかし、肝心の自分たちが住んでいる、居間や台所などはとても狭く、使い勝手も悪くなっています。
注力する場所をしっかり考えれば30坪の家でも十分広く感じることができます。
例えば、家族のだんらんの場所であるリビング・ダイニング・キッチンを広くし、その空間から各部屋へ行けるようなプラットフォームを家につくることが大事になってきます。玄関は、最小限に抑えることができますし、子供へやより、廊下を利用し全員で勉強できる図書室のような空間をつくったり、注力する部分をしっかり考えれば小さくても広い家にすることができます。
そういった家をつくっていくことがこれからの住宅づくりだと思います。